アレルギー免疫療法
アレルギー治療法のひとつ「アレルギー免疫療法」
以前から免疫療法は行われていました。減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因となっているものを、少しずつ体に入れて反応を弱くしていくことで、アレルギー症状を緩和していく治療法です。
アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・喘息に対し、皮下注射を行う治療法で効果は十分に認められておりました。
しかし注射する薬の濃度設定に加え、毎月1回の注射は、患者さん特に子供たちにとってはとてもハードルが高く、いつの間にか製剤会社も薬を作り続けるのが困難な状況まで至りました。
その後、口の粘膜から吸収させるルートがあることがわかり、注射に取って代わる方法として舌下免疫療法が確立され、今日に至っています。
口からの吸収は効率が悪く、そして継続により効果が出てくるため、毎日投与少なくとも3年間毎日続けることが必要です。
この時点で多くの方は諦めてしまいますが、現在はそれぐらいの代償がないと、治すところまで行かないのが現状です。「そんなの無理~」と思う方は、症状がある時、薬を飲んで過ごしてもらえば大体はなんとかなります。
舌下免疫療法の薬は? 効果は?
治療対象のアレルギー原因は、スギ花粉・ヒョウヒダニです。
他のヨモギ・イネ科の草はお薬がありません(日本での話です)。スギの花粉はいっぱい集めることが可能、ダニは培養で増やせるからです。
それぞれのエキスを染み込ませた、すぐに溶ける錠剤です。
スギ花粉エキスのものはシダキュア、ダニエキスのものはミティキュアといいます。
治療は、治療可能な年齢からで、小学校入学以降3~4年生ぐらいがちょうど良いかと考えています。
しかしながら、現実治療し始めて適応とならない年齢があることに気づきました。
治療期間3年間の間に、親元を離れる高校卒業後がかかる年齢です。よっぽど本人が几帳面でない限り無理ですとお話ししています。大概の方は納得されます。
効果は十分期待できますが・・・
肝心の効果ですが、大体は効果があります。
ですが効果が思いのほか低くかったり、また効果があっても継続できず、脱落してしまう方もいらっしゃいます。
3年間以上治療継続できた方の多くは、症状軽快を実感できています。何年あるいは一生効果が持続するかはわかりません。残念ながら、結果は見てみないと分からないという事ですね。
スギ花粉の場合は、花粉が飛び始める時期は治療開始できません。遅くとも11月までには開始あるいは飛び終わる6月から開始可能です。
ダニは季節は関係ないのでいつでも開始できます。
当院では希望する方にパンフレットで説明しています。
その後、実際にお薬を投与する時に詳細説明、初回投与は院内で行い30分経過観察を行い、原則毎月1回受診していただき状況確認をしています。