抗生剤の適正な使用についてーその2ー

前回、お薬を無駄に使うことによる副作用について御説明しました。今回はもう一つの一番大切な理由について申しあげます。

その二、抗生剤を使用しすぎることにより耐性菌が増えてしまう。増えるとどうなるか、効かない抗生剤ばかりになると細菌をやっつける手段がなくなる、つまり、抗生剤がないのと同じ状態になってしまう、ということです。すでに抗生剤が効かない細菌は存在しています。これ以上悪くなっていかないよう適正なお薬の使用が求められています。患者さんが子供の場合、風邪が長引くと抗生剤が必要になることがあります、しかし、必要がない時も多いのにもかかわらず家族が連れてくるのに仕事を休まなくてはいけないなどの理由で抗生剤を処方するのは論外です。昨年から厚生労働省のHPに抗微生物薬適正利用の手引き第一版が表示されています。(一般の方も閲覧可能です)少し難しそうですが、要するに風邪などウイルス感染には抗生剤の使用をやめましょう、と啓蒙しているのです。抗生剤は使用しなければならない大事なお薬です。昔は効かなくなったら新しい薬を開発すればよい、バンバン使いましょう、また新しい薬を作れば大丈夫などという風潮がありましたが、今種々の理由で新しく開発していくことが困難になっています。今あるお薬を上手に使用して、耐性菌を増やさないようにしていくことが我々医師の勤めです。また、耐性菌を作り出してしまうもうひとつの理由があります。それは患者さんが適性に使用しないときです。例えば7日分のお薬を処方して、飲みきってくださいね、と説明しても、治ったからもういいやなどと途中で内服を中止する場合です。お薬にはきちんと飲まないとたいへんなことになるものが存在しています。治ったら止めてもよいお薬もあります。医師や薬剤師の説明をよく聞いて健康な日常を維持していきましょう。

本日の読売にて「効果ないのに風邪に抗菌薬」という記事がアップされていました。タイムリーな記事でしたので紙面をアップしておきます。